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出来高の請求書の書き方|内訳書の進み具合から今回の請求額を出す方法と計算例

出来高の請求とは

出来高の請求は、請負で受けた工事を、完成を待たずに、その月までに進んだ分だけ請求するやり方です。工事が何か月にもわたると、完成まで1円も入ってこないのでは職人さんへの支払いや材料の支払いが回らないので、毎月の締め日に「契約金額のうち、ここまで進んだ分」を上位会社に請求します。

日当で働いた分を請求する常用とは、金額の決め方がまったく違います。常用は出面から人工数を数えて人工単価をかけるのに対して、出来高は契約金額と内訳書が元になり、進み具合(%)から金額を出します。常用の請求書は → 常用の請求書の書き方 で書いています。

常用出来高
元になるもの出面表・日報注文書・注文請書・内訳書
金額の出し方人工単価 × 人工数項目ごとの契約金額 × 進み具合
月ごとの変わり方働いた日数で決まる進んだ分だけ。最後の月に残りを請求する
上位会社のチェック出面と照らし合わせる現場を見て出来高を査定する

出来高の請求書に書くもの

宛名・自分の名前(登録番号)・日付・消費税といった請求書として必要な項目は、ふつうの請求書と同じです(→ 一人親方の請求書の書き方、→ 建設業の請求書の書き方)。出来高の請求書では、それに加えて、今回の金額がどう出たかが分かるように、次の数字を並べます。

書くもの中身
工事名・現場名〇〇ビル改修工事 内装工事
契約金額注文書の金額(追加変更工事は分けて書く)
内訳の項目ごとの契約金額内訳書の工種・項目ごと
前回までの出来高前回までの累計の%と金額(=前回までの請求額の合計)
今回までの出来高今回の締め日時点の累計の%と金額
今回の請求額今回までの出来高 − 前回までの出来高
消費税・合計今回の請求額にかける
残り(契約残高)契約金額 − 今回までの出来高

上位会社が指定する出来高の請求書(出来高調書を兼ねたもの)がある場合は、その様式に合わせて書きます。項目の並びは違っても、求められている数字はほぼ上の表のとおりです。

今回の請求額の出し方

出来高の計算は、毎月「今月どれだけ進んだか」を直接出すのではなく、「今回までに全体のどこまで進んだか(累計)」を出して、そこから前回までの分を引くのが基本です。

  • 今回までの出来高金額 = 項目の契約金額 × 今回までの累計の%
  • 今回の請求額 = 今回までの出来高金額の合計 − 前回までの出来高金額の合計

累計で考えるのは、月ごとの%を足していくと、端数や見込みのずれが積み重なって、最後の月に合計が契約金額と合わなくなるからです。累計で出しておけば、最後の月に100%にした時点で、請求額の合計がちょうど契約金額になります。

計算例

契約金額300万円(税抜)の内装工事を、内訳書の3つの項目で出来高請求する例です。先月の締め日までの累計と、今月の締め日までの累計を、項目ごとに社長が現場を見て決めた数字としています。

項目契約金額前回までの累計前回までの金額今回までの累計今回までの金額今回の請求額残り
軽量鉄骨下地1,000,000円60%600,000円100%1,000,000円400,000円0円
ボード張り1,200,000円20%240,000円70%840,000円600,000円360,000円
仕上げ800,000円0%0円10%80,000円80,000円720,000円
合計3,000,000円840,000円1,920,000円1,080,000円1,080,000円

今回の請求額は1,080,000円で、消費税(10%)108,000円を足した1,188,000円が今月の請求額になります。消費税は項目ごとに計算して足すのではなく、1枚の請求書の10%対象の合計に1回だけかけて端数を処理します(出典:国税庁 インボイスQ&A 問57)。

出来高の計算機

項目契約金額(税抜)前回までの累計%今回までの累計%
項目前回までの金額今回までの金額今回の請求額残り
契約金額の合計
前回までの金額の合計
今回までの金額の合計
今回の請求額
消費税(10%)
税込の請求額
残り

査定で減額されたとき

上位会社は、出された出来高をそのまま認めるとは限らず、現場を見て「ここはまだ60%」のように査定して減らすことがあります。上の例で、ボード張りの70%が査定で60%にされた場合は次のようになります。

項目請求した累計査定後の累計今回までの金額(査定後)
軽量鉄骨下地100%100%1,000,000円
ボード張り70%60%720,000円
仕上げ10%10%80,000円
合計1,800,000円

今回の請求額は1,800,000円 − 840,000円 = 960,000円になり、請求した1,080,000円より120,000円減ります。この120,000円がなくなるわけではなく、ボード張りが進んだ翌月以降の出来高に乗ってくるので、翌月の「前回までの出来高」は、自分が出した数字ではなく査定後の数字(1,800,000円)にしておきます。ここを自分の数字のままにしておくと、翌月の今回請求額がずれて、また問い合わせが来ることになります。

保留金があるとき

契約によっては、出来高の支払いのたびに一定の割合を差し引いておき、完成・引渡しのあとにまとめて払う「保留金」の取り決めがあります。割合や、いつ払われるかは契約ごとに違うので、注文書や契約書に書いてあるとおりにします。

たとえば保留金の割合が10%の契約なら、今回の請求額1,080,000円のうち108,000円が保留になり、今回の支払いは972,000円になる計算です。請求書に保留金を書いて差し引いた額を請求するのか、請求額はそのまま出して上位会社が支払いのときに差し引くのか、消費税をどの金額にかけるのかは上位会社によって違うので、最初の請求の前に確かめておきます。保留にした分の合計は、完成時に請求し忘れないよう、別に記録しておくと安心です。

追加変更工事があるとき

工事の途中で追加や変更が入ったら、元の契約の内訳に混ぜずに、追加変更工事として別の行(または別の請求書)にします。混ぜてしまうと、元の契約金額と出来高の合計が合わなくなり、査定のときにどこが増えたのか分からなくなります。追加の注文書(または変更の注文書)をもらってから請求するのが基本で、口頭だけで始まった追加は、請求の前に金額を書面でもらっておきます。

上の例に、追加の注文書で20万円の追加工事が入り、今月50%まで進んだとすると、追加分の今回の請求額は100,000円です。元の契約分1,080,000円と合わせて今回の請求額は1,180,000円、消費税118,000円、税込1,298,000円になります。

出来高を出すときに迷うところ

迷うところ考え方
進み具合の%を誰が決めるか自社の社長・職長さんが現場を見て決め、上位会社が査定する。数量で測れる項目(ボード何枚・何㎡)は数量の割合で出すと査定でもめにくい
材料だけ入って工事が進んでいない月材料を出来高に入れるかどうかは上位会社の考え方による。入れる場合は内訳書に材料の項目があるかを確かめる
最後の月全項目を100%にし、契約金額から前回までの出来高を引いた残りを全部請求する
前回の請求と数字が合わない前回の請求書の控えと、上位会社からの支払いの明細(査定後の数字)を並べて、前回までの出来高をそろえる
インボイスに登録していない書き方は → 一人親方の請求書の書き方、消費税の分は → 一人親方の請求のよくある疑問

出来高の請求書のひな形

支払いの決まり

出来高の支払いについては、建設業法に決まりがあります。上位会社(建設業法でいう元請負人。すぐ上の会社もこれにあたります)が、その上の注文者から出来形部分の支払いを受けたときは、その工事をした下請に、出来形に応じた下請代金を、支払いを受けた日から1か月以内で、できる限り短い期間内に払わなければならないとされています。下請代金のうち労務費にあたる分は現金で払うよう配慮することも決められています(出典:建設業法 第24条の3)。出来高の請求書を締め日どおりに出しておくことは、この支払いの流れに乗せてもらうためにも大事です。

建設業の請求事務を任せたいとき

RY consulting は、一人親方や小さな専門工事会社の請求書づくりを代わりに引き受けています。出面を LINE で撮って送っていただくだけで、手書きの出面表でも大丈夫です。元請・上位会社の指定の書式があればその書式で、なければいつもの書式で、現場ごとに請求書をお作りします。常用も出来高も扱い、出来高は社長に進み具合を伺って、前回までの請求額の管理と計算はこちらで行います。料金は職人さんの人数に応じたシンプルプランで、LP の料金の欄で全部わかります。契約期間の縛りはありません。

出典

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