LINEで相談する

でんさい(電債)とは?手形との違いと、下請として受け取る流れ・期日・割引・分割

元請・上位会社から「今月から手形をやめて、でんさいで払います」と言われて、何をすればよいのか調べている方に向けたページです。でんさい(電債)とは何か、手形と何が違うのか、下請として受け取るまでの流れ、期日の入金・割引・分割の使い方を書きます。内容は2026年10月29日時点のものです。

でんさい(電債)とは

でんさいは、株式会社全銀電子債権ネットワーク(通称:でんさいネット)が扱う「電子記録債権」のことです。手形と同じように「〇月〇日に〇円払います」という約束を、紙ではなく、でんさいネットの記録として残します。電債(でんさい)と書かれることもあります。

使うには、払う側も受け取る側も、取引のある銀行・信用金庫などの金融機関で、でんさいの利用を申し込んでおく必要があります。申し込める金融機関は、でんさいネットの「参加金融機関一覧」で確かめられます。

全国銀行協会は、2026年度末までに手形・小切手の交換枚数をゼロにする目標を立てています。この目標にあわせて、手形からでんさいや振込に切り替える元請・上位会社もあります。

でんさいと手形の違い

比べること手形でんさい
形紙電子の記録(現物なし)
受け取るとき手形を受け取り、領収書を出す通知メールが来て、Web上で内容を確かめる
印紙領収書に印紙代がかかる印紙税はかからない
紛失・盗難紙なので心配がある現物がないので心配がない
期日の入金銀行に取立てを頼む期日に口座へ自動で入る
期日当日のお金当日は使えない当日から使える
分けて使う分けられない必要な額だけ分けられる
譲渡・割引裏書して渡す・割り引く記録で渡す・割り引く

下請としてでんさいを受け取る流れ

順番すること
1取引のある金融機関で、でんさいの利用を申し込む(審査がある)
2元請・上位会社に、受け取る口座の金融機関を伝える
3元請が、支払いの内容(額と期日)を記録する(「発生記録」)
4通知メールが来たら、Web上で額と期日を確かめる
5期日になると、指定した口座に自動で入金される

元請が記録を出せるのは、期日の3銀行営業日前まで(金融機関によっては7銀行営業日前まで)です。利用の申し込みには金融機関の審査があるので、元請から切り替えの案内が来たら、最初の支払いより前に済ませておくと安心です。受け取る側は、取立ての手続きはいりません。領収書を出すかどうかは、元請との取り決めで省けます。

でんさいで支払いを受ける流れ
でんさいで支払いを受ける流れ 元請・上位会社 発生記録(額・期日) でんさいネット 金融機関を通して記録 通知メール 下請(自分) 期日まで待つ 銀行で割引 分割して譲渡 口座に自動入金 期日前に現金化 (割引料を引く) 自分の下の職人・ 材料屋へ支払い

でんさいの期日・割引・分割

でんさいを受け取ったあとの使い方は3つあります。

使い方中身かかるもの
期日まで待つ期日に口座へ自動で入金されるなし
割引期日の前に金融機関に買い取ってもらい、現金にする金融機関ごとの割引料・手数料
分割して譲渡必要な額だけ切り分けて、自分の支払先に渡す記録の手数料

たとえば、元請から期日60日後の300万円をでんさいで受け取ったとき、うち100万円を外注先の支払いに回し、残りを期日まで持つ、という使い方ができます。紙の手形では額を分けられず、裏書して丸ごと渡すか、全額を割り引くしかありませんでした。必要な分だけ動かせるのが、受け取る側にとって一番の違いです。ただし、渡す相手もでんさいを使っている必要があります。

割引の割引料は、期日までの日数と金融機関の年率で決まります。たとえば年2%で60日前に100万円を割り引くと、割引料の目安は100万円×2%×60÷365=約3,300円で、手元に入るのは約99万6,700円です(ほかに手数料がかかることがあります)。年率は金融機関ごとに違うので、取引のある金融機関で確かめてください。

でんさいの割引の計算機

割引料の目安(額×年率×日数÷365)
手元に入る額の目安

ほかに手数料がかかることがあります。

でんさいの手数料とでんさいライト

でんさいの手数料は、利用を申し込む金融機関ごとに決まっています。受け取るだけでも手数料がかかるかどうかは、金融機関で確かめてください。

インターネットバンキングの契約がなくても使える「でんさいライト」というサービスもあります。でんさいネットの画面に直接入って使う形で、2026年10月時点の料金は次のとおりです。

項目料金(税込)
初期契約料・月額基本手数料無料
発生記録・分割(譲渡)記録1件264円
譲渡記録・変更記録・支払等記録1件132円

でんさいライトは、取り扱う金融機関に申し込み、審査のあとに使えるようになります。

でんさいの期日に入金がないとき

期日に入金がないときは、支払期日から3営業日を過ぎると、支払不能になったかどうかを、取引のある金融機関のインターネットバンキングなどで確かめられます。それまでは、金融機関に入金の状況を聞くか、元請に直接問い合わせます。

仕組み中身
支払不能期日に決済されなかったでんさい
取引停止処分払う側が6か月以内に2回以上支払不能を出すと、2年間、払う側としてでんさいを使うことと、参加金融機関からの借入れができなくなる
譲渡の保証受け取ったでんさいを自分の支払先に渡すと、原則として保証の記録が付き、自分が保証人になる

紙の手形の不渡りや裏書と似た仕組みです。分割して自分の下に渡したでんさいが期日に払われなかったときは、保証人として支払いに応じることになる場合があります。

元請からでんさいで払うと言われたら確かめること

元請・上位会社から支払い方法を変えると案内されたときは、次の点を確かめておくと、あとで資金繰りに困りにくくなります。

確かめること理由
取引のある金融機関で申し込めるか参加していない金融機関では受け取れない
受け取るときの手数料金融機関ごとに違う
期日までの日数長いほど、割り引いたときの割引料が増える
全額でんさいか、一部は振込か職人さんの給料など、すぐ現金がいる分を確保できるか
割引の年率期日前に現金にするときの負担がわかる

建設業法では、元請が注文者から代金を受け取ったときの下請代金のうち、労務費にあたる分は現金で払うよう配慮することとされています(第24条の3)。また、2024年11月1日以降に渡される手形は、期間が60日を超えると「割引を受けることが困難な手形」にあたり、違反のおそれがあるとされています(特定建設業者が、資本金4,000万円未満の一般建設業の許可業者に払う場合)。でんさいは手形ではありませんが、期日までが長いほど割引料がかさむのは同じです。期日や現金の割合に困ったときは、支払い条件を元請と話し合うきっかけにしてください。

でんさいで受け取ったときも、請求書の出し方は変わりません。毎月の請求書の書き方は → 建設業の請求書 にまとめています。

建設業の請求事務を任せたいとき

RY consulting は、一人親方・小さな専門工事会社の毎月の請求書づくりを代わりに引き受けています。出面をLINEで撮って送っていただくだけで、手書きの出面表でも大丈夫です。元請・上位会社の指定の書式があればその書式で、なければいつもの書式で、現場ごとに請求書をお作りします。常用も出来高も扱います。料金は職人さんの人数に応じたシンプルプランで、LPの料金の欄を見れば全部わかります。契約期間の縛りはありません。

出典

LINEで相談する