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一人親方の労災保険(特別加入)|入り方・特別加入団体・給付基礎日額と保険料・元請の現場で求められるとき

一人親方は人を雇わずに仕事を請けているので、本来は労災保険の対象になりません。それでも現場でのケガに備えられるように、国が用意しているのが労災保険の特別加入です。このページでは、一人親方が特別加入するときの入り方、特別加入団体の役割、給付基礎日額と保険料の関係、元請の現場で加入を確かめられたときのことを書きます。制度の内容は2026年10月29日時点のものです。

一人親方は元請の労災保険に入れない

労災保険は、雇われて働く人のための保険です。建設の現場では、元請が、下請の会社に雇われている職人さんの分まで含めて労災保険料を納めます。ところが一人親方は誰かに雇われているわけではないので、元請の労災保険の対象になりません。

現場で働く人現場でのケガの労災
元請の社員元請の労災保険
下請の会社に雇われた職人さん元請の労災保険(元請が下請の分まで保険料を納める)
一人親方元請の労災保険の対象外 → 自分で特別加入

特別加入は任意ですが、入っていれば、仕事中や通勤中のケガ・病気などで労災保険の補償が受けられます。大工、左官、とび、石工など、建設の一人親方であれば職種は問いません。

一人親方の労災保険の入り方

一人親方が個人で直接、労働基準監督署に申し込むことはできません。一人親方などでつくる「特別加入団体」に入り、団体を通じて申請します。

順番すること
1特別加入団体を選んで、加入を申し込む
2団体が申請書を、労働基準監督署を通して都道府県労働局に出す
3労働局長が承認する
4加入日は、申請の日の翌日から30日以内で希望した日
5保険料を団体に納める

加入日は早くても申請の日の翌日です。「明日から現場に入るので今日から入りたい」という場合でも、申請したその日から補償されるわけではないので、現場が決まったら早めに申し込んでおくと安心です。これまでの仕事の内容によっては、加入のときに健康診断が必要になることもあります。

一人親方が特別加入するまでの流れ
一人親方が特別加入するまでの流れ(加入申し込み) (申請書) 一人親方 特別加入 団体 労働基準 監督署 都道府県 労働局 (承認) 加入日:申請日の翌日〜30日以内の希望日 保険料は団体に納める

特別加入団体とは・選ぶときに確かめること

特別加入団体は、同じ種類の仕事をする一人親方などでつくる団体で、労働局の承認を受けて、加入者の労災保険の事務を引き受けています。国に保険料を納める義務があるのは団体です。団体が加入者から保険料をどう集めるかは団体ごとに決めているので、会費などの額や払い方は団体によって違います。

確かめること見るところ
対象の地域住所や仕事をしている地域で入れるか
会費・入会金保険料のほかにかかるお金
払い方1年分をまとめて払うか、分けて払えるか
加入の証明元請に出す加入証明をすぐ出してもらえるか
事故のとき労災の請求の手続きを手伝ってもらえるか

給付基礎日額と保険料

給付基礎日額は、ケガで休んだときなどに受け取る額のもとになる金額です。3,500円から25,000円までの16段階から選び、労働局長が決めます。1年の保険料は「給付基礎日額×365日×保険料率」で、建設の事業の一人親方の保険料率は1000分の17です(2024年4月から)。

給付基礎日額保険料算定基礎額(日額×365)1年の保険料
5,000円182万5,000円3万1,025円
8,000円292万円4万9,640円
10,000円365万円6万2,050円
12,000円438万円7万4,460円
16,000円584万円9万9,280円
20,000円730万円12万4,100円
25,000円912万5,000円15万5,125円

日額を低くすると保険料は安くなりますが、休んだときに受け取る額も少なくなります。申告する日額は所得に見合った額にする必要があり、変えられるのは3月2日〜3月31日か、年度更新の6月1日〜7月10日に限られます。年度の途中で入ったときは、月割りで計算します。

たとえば日額10,000円を選ぶと、1年の保険料は6万2,050円で、月にならすと約5,200円です。日額を5,000円上げて15,000円にすると、1年の保険料は約3万1,000円増えます。保険料は団体を通じて納めるので、毎年の年度更新の手続きも団体が行います。親方がすることは、団体から案内が来たときに、日額をそのままにするか変えるかを伝え、保険料を団体に払うことです。

一人親方の労災保険料の計算機

保険料算定基礎額(日額×365)
1年の保険料(1000分の17)
月にならすと(100円単位)
入る月から3月までの保険料の目安

保険料は特別加入団体を通じて納めます。団体の会費・入会金は別にかかります。日額は所得に見合った額にする必要があります。

補償される仕事の範囲

特別加入で補償されるのは、請負契約にもとづく仕事と、それに直接つながる行為です。

補償される主な場面例
請負工事の現場での作業現場での施工、片付け
契約の前後の行為契約を結ぶこと、見積りや下見
自宅の作業場での作業請負の仕事の加工を家の作業場でする
機械や製品の運搬請負工事に使う機械・製品を運ぶ
通勤住まいと現場の行き帰り

特別加入していないと、現場でケガをしたときどうなるか

特別加入していない一人親方が現場でケガをしても、元請の労災保険からは補償を受けられません。治療は国保などの健康保険で受けることになり、仕事を休んだ間の労災保険の補償もありません。

場面特別加入している特別加入していない
治療労災保険の給付で受ける国保などで受け、窓口での負担がある
仕事を休んだ間労災保険の休業の補償がある労災保険の補償はない
障害が残ったとき労災保険の障害の補償がある労災保険の補償はない
元請に聞かれたとき加入の証明を出せる出せるものがない

一人親方は、ケガで休むとその間の売上がそのまま止まります。日額をいくらにするかは、休んだときに暮らしと仕事の支払いをどこまで支えたいかで考えると決めやすくなります。

元請の現場で求められるとき

現場に入る前に、元請・上位会社から特別加入しているかを聞かれた、加入を確かめる書類のコピーを出すように言われた、という一人親方のお話をよく伺います。入っていれば、団体から出してもらえる加入の証明を渡せば済みます。

もし現場でケガをしたときは、元請の労災保険は使えないので、自分の特別加入で請求します。保険給付の事務は、団体の事務所がある地域の労働基準監督署が受け持つので、まず団体に連絡するのが早道です。

現場でケガをしたときの流れ
現場でケガをしたときの流れ 現場でケガ 元請に報告・病院へ 加入している特別加入団体に連絡 団体の事務所がある地域の 労働基準監督署に請求 給付 × 元請の労災保険 は使えない

毎月の請求書のつくり方は → 一人親方の請求書 にまとめています。保険料の確定申告での扱いは、税理士や税務署で確かめてください。

建設業の請求事務を任せたいとき

RY consulting は、一人親方・小さな専門工事会社の毎月の請求書づくりを代わりに引き受けています。出面をLINEで撮って送っていただくだけで、手書きの出面表でも大丈夫です。元請・上位会社の指定の書式があればその書式で、なければいつもの書式で、現場ごとに請求書をお作りします。常用も出来高も扱います。料金は職人さんの人数に応じたシンプルプランで、LPの料金の欄を見れば全部わかります。契約期間の縛りはありません。

出典

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