建設業許可の取り方|500万円の基準、一般と特定、29業種の種類、取得の要件と5年ごとの更新
元請から「次の現場からは建設業許可を持っているところにお願いしたい」と言われて、許可のことを調べ始めた、という専門工事会社や一人親方のお話をよく伺います。このページでは、建設業許可がどんなときに必要か、許可の種類、取るための要件、取ったあとの更新までを書きます。制度の内容は2026年10月29日時点のものです。
建設業許可とは
建設業許可は、建設工事を請け負う仕事をするために、建設業法第3条にもとづいて受ける許可です。公共工事か民間工事かを問わず、請け負う工事の金額が一定以上になると必要になります。個人事業主の一人親方でも、法人でも取れます。
建設業許可がいらない工事(500万円の基準)
小さな工事(軽微な建設工事)だけを請けるなら、許可はいりません。
| 工事の種類 | 許可がいらない工事 |
|---|---|
| 建築一式工事 | 1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事 |
| それ以外の工事 | 1件の請負代金が500万円未満 |
金額は消費税込みで判断します。注文者が材料を出してくれる場合は、その材料費を含めた額で見ます。また、1つの工事を2つ以上の契約に分けても、合計額で判断します。「材料は元請持ちで手間だけ」の契約でも、材料費を足すと500万円を超えることがあるので注意が必要です。
建設業許可の種類
許可の種類は、営業所の場所で分かれる「大臣許可・知事許可」と、下請に出す額で分かれる「一般・特定」の2つの区分があり、それぞれ業種ごとに取ります。
| 区分 | 種類 | 中身 |
|---|---|---|
| 営業所の場所 | 知事許可 | 営業所が1つの都道府県だけにある |
| 営業所の場所 | 大臣許可 | 2つ以上の都道府県に営業所がある |
| 下請に出す額 | 一般建設業 | 下の「特定」に当たらない場合 |
| 下請に出す額 | 特定建設業 | 発注者から直接請けた1件の工事で、下請に出す額の合計が5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上) |
知事許可でも、工事ができる場所に制限はありません。特定建設業の金額は、2025年2月1日に引き上げられたものです。下請として仕事を受ける専門工事会社や一人親方の多くは、知事許可の一般建設業になります。
建設業許可の29業種
建設工事は、2つの一式工事と27の専門工事、あわせて29の業種に分かれています。許可は業種ごとに取り、2つ以上の業種を同時に取ることも、あとから足すこともできます。
| 区分 | 業種 |
|---|---|
| 一式工事(2) | 土木一式、建築一式 |
| 専門工事(27) | 大工、左官、とび・土工・コンクリート、石、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、機械器具設置、熱絶縁、電気通信、造園、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設、解体 |
ふだんしている仕事がどの業種に当たるかは、都道府県が出している「建設工事の種類と内容」の例示で確かめられます。
建設業許可の要件(取得条件)
許可を取るには、次の要件をすべて満たし、欠格要件に当たらないことが必要です。
| 要件 | 一般建設業の場合の主な中身 |
|---|---|
| 経営業務の管理を適正に行う能力 | 常勤の役員(個人なら本人)が、建設業の経営業務の管理責任者として5年以上の経験があるなど |
| 社会保険の加入 | 健康保険・厚生年金・雇用保険の適用事業所なら、届出をしていること |
| 営業所技術者等(以前の専任技術者) | 営業所ごとに、資格を持つ人、または指定学科を出て3〜5年以上、学歴を問わず10年以上の実務経験がある人を常勤で置く |
| 誠実性 | 請負契約で不正・不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと |
| 財産的基礎 | 自己資本500万円以上、500万円以上の資金調達能力、許可を受けて5年以上続けて営業した実績のどれか |
特定建設業の場合は、営業所技術者の要件が重く、財産的基礎も、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上などすべてを満たす必要があります。
「資格」は、施工管理技士や建築士、技能検定などの国家資格で、どの資格がどの業種に使えるかは一覧で決まっています。資格がなくても、同じ業種で10年以上の実務経験があれば営業所技術者になれるので、長く現場に出てきた親方は、経験を証明できる書類(請求書の控えや注文書など)がそろうかを先に確かめておくとよいでしょう。経験の証明のしかたは都道府県ごとに違うので、許可行政庁や行政書士で確かめてください。
要件を満たしていても、次のような欠格要件に当たると許可は受けられません。
| 主な欠格要件 | 中身 |
|---|---|
| 申請書のうそ・もれ | 申請書や添付書類に、重要なことについてうその記載がある、または書くべきことが欠けている |
| 破産 | 破産して復権を得ていない |
| 過去の取消し・営業停止 | 一定の理由で許可を取り消されて5年たっていない、営業停止の期間が終わっていない |
| 刑罰 | 拘禁刑以上の刑を終えて5年たっていない、建設業法などで罰金刑を受けて5年たっていない |
| 暴力団との関係 | 暴力団員等である、または暴力団員等に事業を支配されている |
法人の場合は、役員などがこれに当たっても許可は受けられません。
個人事業主の一人親方も建設業許可は取れる?
取れます。個人の場合、経営業務の管理を適正に行う能力は本人(または支配人)が満たす必要があります。営業所技術者の要件は、本人が資格や実務経験で満たすこともできます。
| 要件 | 個人の一人親方が確かめること |
|---|---|
| 経営経験 | 個人事業主として建設業を5年以上営んできたか(確定申告書などで示す) |
| 営業所技術者 | 本人が資格を持っているか、同じ業種で10年以上の実務経験があるか |
| 財産的基礎 | 自己資本500万円以上か、500万円以上の預金残高などで資金調達能力を示せるか |
| 社会保険 | 人を雇っていて適用事業所に当たるなら、その届出をしているか |
どの書類で証明するかは許可行政庁ごとに決まっているので、手引きで確かめてください。
建設業許可の申請と更新
申請は、知事許可なら営業所のある都道府県、大臣許可なら地方整備局に出します。自分で出すこともできますし、行政書士に頼むこともできます。
| 時期 | 手続き |
|---|---|
| 許可を受けたとき | 許可の有効期間は5年 |
| 毎年の決算後 | 4か月以内に決算変更届を出す |
| 有効期間が終わる30日前まで | 更新の申請をする |
許可を取ったあとは、毎年の決算変更届と、5年ごとの更新が続きます。更新のときに決算変更届が出ていないと申請が進まないので、毎年出しておくことが大切です。
工事の実績を示す書類として、注文書や請求書の控えは、許可の申請のときにも、経験年数の証明にも使われます。毎月の請求書を現場ごとに残しておくことが、許可を取る準備にもなります。
→ 一人親方の請求書の書き方 では、現場ごとに請求書を作るときの項目をまとめています。
建設業の請求事務を任せたいとき
RY consulting は、一人親方・小さな専門工事会社の毎月の請求書づくりを代わりに引き受けています。出面をLINEで撮って送っていただくだけで、手書きの出面表でも大丈夫です。元請・上位会社の指定の書式があればその書式で、なければいつもの書式で、現場ごとに請求書をお作りします。常用も出来高も扱います。料金は職人さんの人数に応じたシンプルプランで、LPの料金の欄を見れば全部わかります。契約期間の縛りはありません。
出典
- 国土交通省「建設業の許可について」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html
- 国土交通省「許可の要件」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html
- 鹿児島県「建設業の許可制度について」 https://www.pref.kagoshima.jp/ah01/infra/tochi-kensetu/kensetu/kyoka-seido.html
- 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」(業種の区分) https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/kensetuKensaku.do