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労働保険の年度更新とは|毎年6月1日〜7月10日、申告書の書き方の流れと建設業の二元適用・一人親方の特別加入

労働保険の年度更新は、人を雇っている会社や親方が毎年6月から7月にかけて行う手続きです。前年度の保険料を確定させて精算し、今年度の分を概算で前払いします。建設業は労災保険と雇用保険を別々に申告する「二元適用」なので、ほかの業種より少しわかりにくくなっています。このページでは、年度更新の期限、申告書の書き方の流れ、建設業ならではの点、一人親方の特別加入の更新を書きます。制度の内容は2026年10月29日時点のものです。

労働保険の年度更新とは

労働保険料は、4月から翌年3月までを1年度として計算します。年度のはじめに、その年度に払う見込みの賃金で保険料を概算で納め、年度が終わったら、実際に払った賃金で確定させます。この「前年度の確定」と「今年度の概算」をまとめて申告・納付するのが年度更新です。

年度更新の時系列
年度更新の時系列 2025.4 2026.4 2027.4 令和7年度 (概算で前払い済み) 2025年4月〜2026年3月 令和8年度 2026年4月〜2027年3月 足りない分は追加で納める/ 多い分は今年度分にあてる 年度更新 次の 年度更新 2026年6月1日〜7月10日:年度更新 (令和7年度の確定で精算+ 令和8年度の概算を前払い) 2027年6〜7月:次の年度更新

年度更新はいつ?期限と延納

年度更新の期間は、毎年6月1日から7月10日までです。2026年度は6月1日(月)から7月10日(金)まででした。電子申請は6月1日の朝8時から受け付けています。

概算保険料が40万円以上(労災保険か雇用保険のどちらか一方だけが成立している場合は20万円以上)か、労働保険事務組合に事務を任せている場合は、3回に分けて納める「延納」ができます。

期納期限口座振替の場合
第1期7月10日9月7日
第2期11月2日11月16日
第3期2027年2月1日2027年2月15日

延納している場合、第2期の納期限は2026年11月2日です。納付書は納期限のおよそ10日前に届きます。

7月10日は、労働局・労働基準監督署・金融機関の窓口がとても混みます。次のように前もって段取りをしておくと、ぎりぎりにならずに済みます。

時期すること
4月〜5月前年度の賃金台帳や給料の明細、賞与の記録をそろえる
5月雇用保険に入っている人の一覧と、1年分の賃金を集計しておく
申告書が届いたら印字されている番号や料率を確かめ、集計した数字を書き込む
7月10日まで申告書を出して納める(口座振替なら申し込み済みか確かめる)

申告書の書き方の流れ

申告書は、年度更新の前に労働局から届きます。労働保険番号や保険料率などは、あらかじめ印字されています。

順番すること
1前年度(4月〜3月)に払った賃金の総額を、労災と雇用保険それぞれの対象の人ごとに集計する
2確定保険料を出す:前年度の賃金総額×前年度の保険料率
3概算保険料を出す:今年度の賃金の見込み×今年度の保険料率
4前年度に納めた概算保険料と確定保険料の差を出す(足りなければ追加で納め、多ければ今年度分にあてる)
5申告書を出す:労働局、労働基準監督署、年金事務所の中の徴収事務センターに持っていくか郵送
6納める:申告書と納付書を切り離さずに金融機関へ。口座振替や電子納付もできる

賃金の総額には、基本給や残業代だけでなく、通勤手当や賞与などの一時金も入ります。毎月の給料の明細から12か月分を足し上げ、賞与の月を忘れずに加えます。集計は、労災保険と雇用保険で対象の人が違う点に気をつけてください。

集計で気をつけること中身
対象の期間前年度の4月から翌年3月まで(暦の1月〜12月ではない)
賃金に入るもの基本給、残業代、通勤手当、賞与など
雇用保険の対象雇用保険に入っている人の賃金だけ
労災保険の対象雇っている人全員(パート・アルバイトを含む)
去年との比べ方去年の申告書の控えと並べ、大きく違う数字がないか確かめる

迷う手当があるときは、申告書と一緒に届く書き方の冊子で確かめてください。

電子申請は e-Gov から入力して送ります。資本金が1億円を超える法人などは、電子申請が義務になっています。

雇用保険の分の計算例

2026年度の建設の事業の雇用保険料率は1000分の16.5で、そのうち1000分の6を働く人が、1000分の10.5を事業主が負担します。職人さんの給料の総額が1年で2,400万円の見込みの専門工事会社なら、雇用保険の概算保険料は次のとおりです。

内訳料率1年の額
雇用保険料の合計1000分の16.539万6,000円
うち働く人の負担(給料から天引き)1000分の614万4,000円
うち事業主の負担1000分の10.525万2,000円

働く人の負担分も、毎月の給料から預かったうえで、事業主がまとめて納めます。この例は雇用保険の分だけで20万円以上なので、延納ができます。

雇用保険の年度更新の計算機

雇用保険保険料うち働く人うち事業主
差額

賃金の総額の千円未満は切り捨てて計算しています。労災保険の分は別に計算して申告します。

元請に法定福利費を請求するときの考え方は → 法定福利費の請求書 にまとめています。

建設業の二元適用:労災と雇用保険が別

建設業は、労災保険と雇用保険を別々の窓口に、別々に申告・納付する「二元適用事業」です。

比べる点労災保険雇用保険
受け持つ役所労働基準監督署ハローワーク(保険料の申告は労働局など)
労働保険番号労災の側の番号雇用保険の側の番号
現場の保険料を納める人元請が、下請の会社に雇われた職人さんの分までそれぞれの会社が自分の社員の分
賃金がつかみにくいとき請負金額×労務費率で計算できる実際に払った賃金で計算
建設業の二元適用のしくみ
建設業の二元適用のしくみ労災保険 雇用保険 元請 下請A社の職人さん 下請B社の職人さん 労働基準監督署 元請 下請A社 下請B社 ハローワーク・労働局 下請の会社の年度更新は雇用保険の分だけ、 ということがある

現場の労災保険は元請がまとめて入るので、下請の専門工事会社では、毎年の年度更新が雇用保険の分だけになることがあります。元請として工事を請けている会社は、現場ごとの請負金額などをまとめた一括有期事業報告書も一緒に出します。

一人親方の特別加入の更新

一人親方の特別加入は、加入している特別加入団体が事業主の立場で保険料を納めます。そのため、親方が自分で年度更新の申告書を出すことはなく、団体を通じて保険料を払います。

親方がすること時期
団体からの案内に答える年度更新の時期の前後(団体ごとの締切)
給付基礎日額を変えるなら申し出る3月2日〜3月31日か、6月1日〜7月10日
保険料を団体に払う団体が決めた期日

給付基礎日額を変えられるのはこの2つの期間だけで、7月10日を過ぎると変更が受けられないことがあります。団体の締切はこれより早いこともあるので、案内が届いたら早めに確かめてください。賃金の集計のしかたや料率の当てはめ方など、迷うところは労働局や社労士で確かめてください。

建設業の請求事務を任せたいとき

RY consulting は、一人親方・小さな専門工事会社の毎月の請求書づくりを代わりに引き受けています。出面をLINEで撮って送っていただくだけで、手書きの出面表でも大丈夫です。元請・上位会社の指定の書式があればその書式で、なければいつもの書式で、現場ごとに請求書をお作りします。常用も出来高も扱います。料金は職人さんの人数に応じたシンプルプランで、LPの料金の欄を見れば全部わかります。契約期間の縛りはありません。

出典

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