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建設業法の支払期日|下請代金は元請が受け取ってから1か月以内・特定建設業者は50日以内、遅れたときの相談先

「出来高の請求を出したのに、いつまでたっても入金がない」「元請から、施主から入金がないので待ってほしいと言われた」。下請として仕事をしていると、支払いの遅れで困ることがあります。建設工事の下請代金には、いつまでに払わなければならないかが建設業法で決められています。このページでは、その支払期日のきまりと、遅れたときにできることを書きます。制度の内容は2026年10月29日時点のものです。

建設工事の下請代金は取適法ではなく建設業法

下請への支払いのきまりというと、取適法(旧下請法、2026年1月に名前が変わりました)を思い浮かべる方も多いと思います。ただ、建設業を営む者が請け負った建設工事を、ほかの建設業者に請け負わせる取引は、取適法の対象から外されています。建設工事の下請代金の支払期日は、建設業法で決まっています。

なお、建設工事ではない仕事(部材の製造を頼むなど)は、取適法の対象になることがあります。

下請代金の支払期日のきまり

きまり誰が払うとき支払期日
1か月以内(第24条の3)元請・上位会社すべて注文者から出来高や完成の代金を受け取った日から1か月以内で、できる限り短い期間
50日以内(第24条の6)特定建設業者が、特定建設業者でなく資本金4,000万円未満の下請(個人を含む)に払うとき下請が引渡しを申し出た日から50日以内で、できる限り短い期間

特定建設業者とは、元請として請けた工事で、1件5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上を下請に出すための許可を持つ会社です(2025年2月1日に引き上げられた額)。50日のきまりから外れる下請は、特定建設業者と、資本金4,000万円以上の法人です。個人の一人親方は資本金がないので、払う側が特定建設業者なら、このきまりの対象になります。ここでいう元請・上位会社には、1次下請が2次下請に払う場合のように、下請の中で発注する側も入ります。

1か月以内のきまりでは、元請が受け取った額のうち、その下請が施工した部分にあたる額を払うことになっています。たとえば元請が10月5日に施主から出来高の代金を受け取ったなら、11月5日ごろまでに払う計算で、いつもの月末締め翌月末払い(11月30日)では遅くなります。また、下請代金のうち労務費にあたる分は現金で払うよう、元請が前払金を受け取ったときは下請にも着手に必要な費用を前払金として払うよう、配慮することとされています。

50日のきまりには、ほかにも決まりがあります。

場合どうなるか
支払期日を決めていない引渡しを申し出た日が支払期日になる
50日より後の日を支払期日にしていた申し出た日から50日を経過する日が支払期日になる
50日を過ぎても払わない50日を経過した日から払う日まで、年14.6%の遅延利息がかかる

特定建設業者のこの50日のきまりは、元請が施主から入金を受けたかどうかとは別に決まる期日です。両方のきまりがあてはまる場合は、早いほうの期日までに払う必要があります。

「施主から入金がないので待ってほしい」と言われたら

1か月以内のきまりは、元請が注文者から代金を受け取ったときに始まります。元請がまだ受け取っていない場合、このきまりの期日はまだ来ていないことになり、注文書・注文請書や契約書で決めた支払いの時期が基準になります。

一方、元請が特定建設業者で、自分が資本金4,000万円未満の会社か個人なら、50日以内のきまりが使えます。こちらは施主からの入金を待たずに、引渡しを申し出た日から数えます。待ってほしいと言われたときは、まず元請が特定建設業の許可を持っているかを確かめると、どちらのきまりで考えればよいかが分かります。許可の種類は、国土交通省の建設業者の検索システムで調べられます。

完成の検査と引渡しの期限

50日を数える起点になる「引渡しの申出」の前にも、期限があります。元請は、下請から工事が終わったと知らされた日から20日以内に、完成を確かめる検査を終えなければなりません。検査で完成が確かめられたあと、下請が引渡しを申し出れば、元請は原則としてすぐに引渡しを受けることになっています。

支払期日の数え方
支払期日の数え方特定建設業者のきまり すべての元請のきまり 下請が完成を通知 20日以内 元請の検査 下請が引渡しを申し出る ここから数える 50日以内 支払期日 (特定建設業者) 元請が施主から 代金を受け取る 1か月以内 支払期日 (すべての元請) 両方あてはまるときは 早いほう

計算の例:50日目と遅延利息

特定建設業者の元請に、100万円の工事の引渡しを10月1日に申し出た場合の例です。

項目内容
引渡しの申出10月1日
支払期日(50日を経過する日)11月20日
実際の入金12月20日(30日遅れ)
遅延利息100万円×14.6%×30日÷365日=12,000円

年14.6%の遅延利息は、特定建設業者の50日のきまりについて法令で決められた率です。元請が特定建設業者でない場合の遅れについては、契約で決めた内容などによって扱いが変わります。

支払期日と遅延利息の計算機

支払期日(50日を経過する日)
遅れた日数
遅延利息(年14.6%)

年14.6%は、特定建設業者の50日のきまりについて法令で決められた率です。元請が特定建設業者でない場合は、契約で決めた内容などによって扱いが変わります。

手形やでんさいで払われるとき

特定建設業者は、支払期日までに、金融機関で割引を受けるのが難しい手形で払ってはいけないことになっています。2024年11月1日以降に渡される手形は、期間が60日を超えると、この「割引を受けることが困難な手形」にあたり、違反のおそれがあるとされています(資本金4,000万円未満の一般建設業の許可業者に払う場合)。でんさいなど手形以外の方法で払われる場合も、期日までが長いほど、早く現金にするための割引料は受け取る側の負担になります。

支払いが遅れたときの相談先

まずは元請・上位会社の担当や経理の方に、支払期日と入金の予定を確かめます。相談の前に、次のものを手元にそろえておくと話が早く進みます。

そろえるもの何のため
注文書・注文請書や契約書決めた支払いの時期を示す
請求書の控えいつ、いくら請求したかを示す
完成の通知・引渡しの日がわかるもの50日を数える起点を示す
通帳や入金の記録いつ、いくら入ったかを示す

それでも話が進まないときは、次の窓口があります。

窓口相談できること
駆け込みホットライン(国土交通省)建設業法違反のおそれがある取引の通報。電話0570-018-240、またはWebの専用フォーム(2026年10月時点)
元請の建設業許可を出した役所国土交通大臣の許可なら地方整備局、都道府県知事の許可なら都道府県の建設業の担当課
建設工事紛争審査会国土交通省と各都道府県に置かれ、代金の未払いなど請負契約をめぐる争いを、あっせん・調停・仲裁で扱う(仲裁は双方の合意が必要)

どの窓口が合うか分からないときは、国土交通省の「建設業相談窓口ナビ」で、相談したい内容から窓口を探せます。契約や代金の判断は個別の事情で変わるので、必要に応じて行政書士や弁護士にも確かめてください。

請求のときに出来高の割合や既払い額をはっきり書いておくと、支払期日の話し合いもしやすくなります。出来高の請求書の書き方は → 出来高の請求書 にまとめています。

建設業の請求事務を任せたいとき

RY consulting は、一人親方・小さな専門工事会社の毎月の請求書づくりを代わりに引き受けています。出面をLINEで撮って送っていただくだけで、手書きの出面表でも大丈夫です。元請・上位会社の指定の書式があればその書式で、なければいつもの書式で、現場ごとに請求書をお作りします。常用も出来高も扱います。料金は職人さんの人数に応じたシンプルプランで、LPの料金の欄を見れば全部わかります。契約期間の縛りはありません。

出典

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