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建退共とは?証紙・手帳・電子申請のしくみと退職金の目安|下請としてやること

建退共(建設業退職金共済)は、現場で働く職人さんが建設業の仕事をやめるときに、退職金を受け取れるようにする国の制度です。事業主が、職人さんの働いた日数に応じて掛金を納め、その日数が本人の記録として積み上がっていきます。勤め先が変わっても日数は引き継がれるので、いくつもの会社で働いてきた職人さんでも退職金を受け取れます。このページでは、証紙・手帳・電子申請(電子ポイント方式)のしくみ、掛金と退職金の目安、下請としてやることを書きます。制度の内容は2026年10月29日時点のものです。

建退共とは

運営しているのは、独立行政法人勤労者退職金共済機構の建退共事業本部です。

項目内容
加入できる事業主建設業を営む事業主。元請・下請、専業・兼業、許可のあるなしを問わない
対象になる人建設現場で働く人。役員報酬を受けている人、事務だけの社員、中退共など他の退職金共済に入っている人は対象外
一人親方一人親方が任意組合をつくって認定を受ければ加入できる(組合が事業主の扱い)
掛金を出す人事業主が全額負担。給料から天引きして職人さんに負担させることはできない
税金の扱い法人は損金、個人事業主は必要経費に全額入れられる
加入すると届くもの会社に共済契約者証、職人さん一人ひとりに共済手帳

公共工事か民間工事かを問わず、働いた日はすべて掛金を納める対象です。経営事項審査では、加入して掛金をきちんと納めていると加点されます。

建退共の掛金と証紙

掛金日額は320円で、職人さんが1日働くごとに1日分を納めます。どの日が1日分になるかは、次のとおりです。

場面納める日数
2〜3時間だけ働いた日賃金を払う日なら1日分
1日に8時間を超えて働いた8時間を超えるごとに1日分を足す
夜勤が翌日に4時間以上かかった8時間未満でも1日分を足す(21時〜翌9時なら2日分)
有給休暇・会社の都合で休ませた日納める
休日・欠勤納めない(休日に働いた日は納める)
同じ日に2つの会社で働いたそれぞれの会社が納める

証紙貼付方式では、金融機関の窓口で共済証紙を買い、職人さんの手帳に貼ります。買うときは共済契約者証の原本を見せます(コピーでは買えません)。

証紙金額
1日券320円
10日券3,200円

証紙の色は、労働者300人以下または資本金3億円以下の中小事業主が赤、それより大きい事業主が青です。

賃金を払うたびに(少なくとも月に1回)、働いた日数分の証紙を手帳に貼り、会社名と年月日の入った印で消印します。

建退共の手帳と更新

手帳貼れる日数
1冊目(掛金助成手帳)1日券の欄が200日分+助成の欄が50日分=250日分。助成の欄は、5日働くごとに1日分が免除され、消印だけでよい
2冊目から250日分(10日券の欄と1日券の欄があり、どちらかにそろえて貼るのが望ましい)

手帳は、交付から2年たったとき、または250日分を貼り終えたときに更新します。令和2年11月以降に出た手帳には、次の更新時期が書いてあります。

1冊は250日分なので、3冊貼り終えると750日分です。21日で1月と数えるので、約35月分になります。

電子申請方式(電子ポイント方式)とは

証紙の代わりに、専用サイトで退職金ポイントを買っておき、毎月、職人さんごとの就労日数を登録すると、ポイントから掛金に充てられるしくみです。令和3年3月から始まり、利用は無料です。

項目証紙貼付方式電子ポイント方式
買い方金融機関の窓口で証紙を買う専用サイトでポイントを買う(ペイジーか口座振替。3,000円分以上、10円単位)
納め方手帳に貼って消印就労日数を登録すると充当される
期限賃金を払うたびに貼る賃金を払った月の翌月末までに充当の手続き
下請の分元請から証紙を受け取り、自社の職人さんの手帳に貼る就労実績報告を元請・上位会社に出す。充当は建退共が行う
手元に残る記録共済証紙受払簿掛金充当書(専用サイトで出る)

建設キャリアアップシステムに就業履歴がたまっていれば、データを連携して日数の入力を省けます(建設キャリアアップシステム側で設定が必要です)。

電子ポイント方式の流れ
電子ポイント方式の流れ 下請 毎月の就労日数を報告 建設キャリアアップシステムの就業 履歴を連携すれば入力を省ける 元請 専用サイトに就労実績を登録 (ポイントは事前に購入) 建退共 ポイントから職人さんごとに掛金を充当 職人さん 納付日数が積み上がる

下請としてやること(公共工事)

公共工事では、元請が下請の分の掛金の手続きも引き受け、証紙を買う・ポイントを買う形で用意します。下請がやることは、方式によって変わります。

時期電子ポイント方式証紙貼付方式
契約したとき加入労働者数報告書(事務受託様式第6号)を元請に出す。1次下請は2次以下の分もまとめる同じ
施工中(毎月)専用サイトで就労実績報告を作り、元請・上位会社に出す被共済者就労状況報告書(事務受託様式第2号)を元請に出す。証紙を受け取ったら受領者確認欄にサインして返し、手帳に貼って消印。共済証紙受払簿と貼付状況報告書(事務受託様式第3号)をつける
工事が終わったら就労状況報告書と掛金充当書を1年保存就労状況報告書と貼付状況報告書を1年保存

これまで「辞退届」と呼ばれる書類が使われてきましたが、建退共はこれを使わず、加入労働者数報告書で報告するよう案内しています。

毎月の就労日数は、出面がもとになります。出面の付け方は → 出面・出面表とは にまとめています。

建退共の退職金はいくら?

退職金を受け取れるのは、掛金を納めた月数(証紙と電子の合計。21日で1月)が12月以上あって、建設業の仕事をやめたときです。本人が請求します。12月以上ある人が亡くなったときは、遺族が請求できます。建設業で働いているうちは請求できません。

掛金を納めた期間納めた掛金(21日×320円で計算)退職金の目安
1年(12月)80,640円24,192円
5年(60月)403,200円414,087円
10年(120月)806,400円893,559円
20年(240月)1,612,800円1,933,479円
30年(360月)2,419,200円3,038,919円
45年(540月)3,628,800円4,913,127円

退職金の目安は、掛金日額320円・令和3年10月1日以降に加入した場合の建退共の試算です。12月以上24月未満のときは、納めた掛金の3〜5割程度になります(亡くなったときは納めた掛金に相当する額)。予定運用利回りや掛金日額が見直されると、額は変わることがあります。自分の日数での額は、建退共の退職金試算で確かめられます。

退職金と納めた掛金の比べ
退職金と納めた掛金の比べ 納めた掛金 退職金 0 100万円 200万円 300万円 400万円 500万円 1年 5年 10年 20年 30年 45年 5年あたりで 退職金が掛金を上回る

建設業の請求事務を任せたいとき

RY consulting は、一人親方・小さな専門工事会社の毎月の請求書づくりを代わりに引き受けています。出面をLINEで撮って送っていただくだけで、手書きの出面表でも大丈夫です。元請・上位会社の指定の書式があればその書式で、なければいつもの書式で、現場ごとに請求書をお作りします。常用も出来高も扱います。料金は職人さんの人数に応じたシンプルプランで、LPの料金の欄を見れば全部わかります。契約期間の縛りはありません。

出典

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